【おすすめ名盤 2】Lionel Hampton『Stardust』
Lionel Hampton『Stardust』(1947年録音)
【収録曲】
1. Stardust
2. One O'clock Jump
3. The Man I Love
4. Oh, Lady Be Good
第2回目はジャズのおすすめ名盤です。
ライオネル・ハンプトンはヴィブラフォン(ヴァイブ・鉄琴)奏者でありますが、最初はジャズに鉄琴?なんて思ったものだ。
おまけに1947年8月4日(なんと第二次世界大戦終戦の2年後⁉︎)のかなり古いライブ録音。
あのタモリさんが死ぬ前に聴きたいアルバムなんて言うもんだから、初めて聴いた時の期待値は最高だった。が…
一曲目から15分⁉︎
一曲が長いわ、ヴァイブの音色にいまいち馴染めないわで、一度聴いたっきりっきりそのまま放置。
しかし、近所のジャズ喫茶でたまたまマスターがこのアナログ盤を流してくれたのですが、そこでこのアルバムの真価に気がついた。
なんともノスタルジックで幻想的なヴァイブの音色から始まり、目を瞑りながら聴くと、そこから当時のライブ会場へとタイムトラベルし、妄想の世界で観客の一員となった気分になる。
テナーサックスの美しいメロディのテーマが終わると、怒涛のソロ回しのバトンが渡されて行く。
声とユニゾンする不思議な音色のベースソロなど聴きどころ満載だが、なんと言っても圧巻は、
終盤のライオネル・ハンプトンのヴァイブソロ。
ソロ中の笑み混じりの唸り声、それに呼応する観客の反応。
高速で叩かれるヴァイブの音1つ1つが、まるで星屑の大群ように儚くも力強く散りばめられている。
そして大歓声の中、曲が終わりを迎える。
このアルバムは一曲目の「Stardust」の約15分間に音楽の1つの理想郷が詰まっており、
当時の演奏家や観客たちが、音楽を通じて共鳴し合っています。
(もちろん他のトラックも素晴らしいのですが、「Stardust」は別格です。)
※このアルバムはライオネル・ハンプトン名義ではありますが、ライオネル・ハンプトンの参加は一曲目の「Stardust」のみ。
寝る前に聴くことが多いが、幸福感そのままに夢の世界へ連れて行ってくれる。大体、眠れない時に聴くと効果的。
あと、1947年のモノラル録音にも関わらず、輪郭がはっきりとしており、非常に音が良い。
タモリさん、僕にとっての死ぬ前に聴きたいアルバムの候補に認定させていただきます。
間違いなく音楽による幸福感を存分に感じながら死ねます。
ライオネル・ハンプトンはベニー・グッドマン・カルテットでの演奏も本当に素晴らしいのでこちらも是非。(「Body And Soul」「Moonglow」の演奏が特におすすめ)
参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
スパスパ弧唄
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