スパスパ弧唄の音楽小旅行

〜日々を彩る音楽名盤紹介ブログ〜

【おすすめ名盤 31】Stan Getz & João Gilberto『Getz/Gilberto』

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Stan Getz & João Gilberto『Getz/Gilberto』(1964年)

【収録曲】

1. The Girl From Ipanema

2. Doralice

3. Para Machucar Meu Coração (To Hurt My Heart)

4. Desafinado

5. Corcovado

6. Só Danço Samba (Jazz Samba)

7. O Grande Amor

8. Vivo Sonhando


【演奏メンバー】

Stan Getz(テナー・サックス)

João Gilberto(ギター、ボーカル)

Antônio Carlos Jobim(ピアノ)

Sebastião Neto(ベース)

Milton Banana (ドラムス、パンデイロ)

Astrud Gilberto(ボーカル )1曲目、5曲目のみ

 

 

今回は世界的に大ヒットしたボサノヴァのアルバム『Getz/Gilberto』を紹介。

これまた歴史を作った名盤中の名盤すぎて、紹介するのはとても恐れ多いです。が、「ボサノヴァ」という名前自体は聞いたことはあるけど…… という方も多いと思うので、軽くボサノヴァの歴史にも触れつつ紹介できたらと。(僕自身も実際ちゃんと知ったのはごく最近…)結論から言いますと、ボサノヴァジョアン・ジルベルトアントニオ・カルロス・ジョビンという、2人の意識高すぎる音楽家の出会いが生んだ「大発明」なのです。

 

ボサノヴァという音楽は生まれてせいぜい60年くらい。意外と短いんですよね。ジャズの歴史にしたって、たった100年くらいなんですから。順にざっくりと紐解いていくと、ジョアン・ジルベルトというシンガーソングライターが、田舎から自身の音楽の追求のため、家族の反対を押し切って、1人でブラジル・リオにやってきた。しかし、音楽活動はするものの結果は出ず、友人の家を転々としていた。それでもリオを揺るがすような新しい音楽があるはずだと追求し続けた。からっぽの湯船の中に閉じこもって、一日中ギターで新しいリズムを探す日々が続いたという。正直変態の域を超えているが、ここでしっかり「バチータ」という新しい奏法を発明したのだから、相当な覚悟だったのだろう。そう、ボサノヴァの原石は、なんと湯船で産声を上げたのです。

天才作曲家アントニオ・カルロス・ジョビンと出会ったのはここから。彼もまた、中々才能が開花しきれずの状態で模索していた。1957年、ジルベルトの歌とギターに惚れ込みタッグを組んで、「新しい傾向」といった意味の「ボサノヴァ」という新しい音楽を生み出しました。

そして今回紹介のアルバムの『Getz/Gilberto』。一曲目の「The Girl From Ipanema」はシングル曲となり、ビートルズの「イエスタデイ」に続く、2番目に多くカバーされた曲だが、ボサノヴァという音楽を世界中に知らしめる大ヒット曲となった。というのも、リオ中で流行になっていたボサノヴァアメリカのレコード会社の目に留まり、アメリカ全土で売り出そうとした最初の戦略的アルバム。だからスタン・ゲッツというジャズの重鎮が参加したり、英語の歌詞が一部使われたりしている。これには発明したジルベルトとしては、自分の信じる音楽とずれ過ぎて怒りを隠せなかったよう。のちに、どちらかと言えば商売人気質の強いジョビンと離れていく訳だが、その辺はここでは省略します。結局お互いのプライドの高さ所以です。

 

「発明」とか「発見」というのは、たとえ自分がそれにたどり着いたとしても、人々がそれに真新しい感動として心に響かなければ、それは新の「発明」とは言えないわけで。ジルベルトにしてもジョビンにしても、「自分たちの音楽で人々に感動与えたい」という思いは共通していたのだろう。その思いの結晶が"ボサノヴァ"だと思う。

 

余談ですが、『あつまれ どうぶつの森』の自分の島の名前がどうしても決められなかったので、「ボサノヴァ島」にした。

 

これからの季節、動物たちと無人島の海辺でのんびりボサノヴァを是非!!

 

 

参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

スパスパ弧唄

 

 

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