スパスパ弧唄の音楽小旅行

〜日々を彩る音楽名盤紹介ブログ〜

【おすすめ名盤 66】Nat King Cole『After Midnight』

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Nat King Cole『After Midnight』(1956録音)

【収録曲】

1. Just You, Just Me

2. Sweet Lorraine

3. Sometimes I'm Happy

4. Caravan

5. It's Only A Paper Moon

6. You're Lookin' At Me

7. Lonely One

8. Don't Let It Go To Your Head

9. I Know That You Know

10. Blame It On My Youth

11. When I Grow Too Old To Dream

12. (Get Your Kicks On) Route 66

 


【演奏メンバー】

Nat King Cole(ピアノ、ヴォーカル)

John Collins(ギター)

Charlie Harris(ベース)

Lee Young(ドラムス)

Willie Smith(アルト・サックス)

Harry Edison(トランペット)

Juan Tizol(トロンボーン

Stuff Smith(ヴァイオリン)

Jack Costanzo(ボンゴ)

 

 

今回はジャズヴォーカル界の "キング" 、ナット・キング・コールのリーダーアルバムを紹介。

ナット・キング・コールは1930年代から、ビッグバンドやトリオでジャズピアニストとして活動していました。段々と彼の艶のある歌声が評価され、1950年代以降はポピュラー音楽のシンガーとしての活動にシフト。そんな中、1956年原点に戻りストレートなジャズに挑んだのが本作。

このアルバムは、昨日紹介したジョン・コルトレーンの『My Favorite Things』とはある意味逆で、「ジャズの明るい部分」が全面に出ています。全ての曲が3、4分程度で収まっており、ソロ回しも短い尺の中で皆が小気味良くキマっている。「明るい」と一言で言ってみたものの、ナット・キング・コールの艶っぽい歌声には、どこか気丈さや物哀しさなど、一言では言い表せない奥行きを感じます。だからこそ大衆の心を掴むのでしょう。

 

 

ここからは、「初めてのジャズセッション」について。

ジャズセッションとは、ステージや演奏スペースのあるバーなどで、各々楽器を持ち寄り、ジャズの有名な曲(スタンダード曲)を題材に皆で自由に演奏するというもの。調べるとそういう店って案外チラホラあるもので、できるだけ敷居の低そうな店を探しては1人で乗り込んだりする。(少し強気に聞こえますが、毎回門前でぶるぶる怯えています。)今日は初めて参加した時のことを書いてみる。

その前に、ジャズセッションの一般的なおおよその流れを説明すると、まず店に入ると使用楽器と希望の曲を用紙に記入する。店のオーナーの指揮で参加者の演奏する順番が決まり、自分の番を待つ。  "セッションホスト" という方々(ピアニストやベーシストがされる場合が多い)に演奏を支えてもらいながら、曲のテーマのメロディーを弾き、アドリブを順番に回していく。

 

という流れで、参加に至るまでの初体験をビクビクしながら終え、人の演奏を見ながら自分の番を待つわけです。不安を紛らわすために、人の演奏を評論家ツラして見ている自分がいる。誰の演奏を見ても「凄い!」ってなってくる。余計に不安が増す。

自分の名前が呼ばれると、「どうにでもなれ」と無敵モードに無理やり切り替えて、ピカピカに拭いたギターを片手に、余裕ぶってステージへ上がる。テンポは「どれくらい?」と聞かれビクッとする。指鳴らしして「これくらいですかね…?」と伝えるのも緊張してひと苦労。曲のイントロが鳴った瞬間頭が真っ白になる。家でギターヒーローにでもなった気分で練習したフレーズも面白いくらいに弾けない。夢でたまに見る、急にステージに立たされて、練習もしていない曲を弾かざるを得ない状況の、あの恐怖と同じ。これ正夢?もう何も覚えていない、何をやっているのかもわからない…

演奏が終わり、イヤな手汗で湿ったギターを片手に席へ戻り、頼んていたジントニックを口に含む。舌に感じる苦味が、セッション初参加のほろ苦さを物語っていた。

 

 

12曲目の「Route 66」という曲は、ヴォーカルのいるセッションであれば、"締めのジャズブルース" として演奏されることが多いです。

このアルバムのジャケット写真みたいに、力を抜いて皆で楽しそうに演奏できたらなぁ。

 


[Get Your Kicks On] Route 66

 

 

参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 


スパスパ弧唄

 


参考リンク

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THE COMPLETE AFTER MIDNIG

THE COMPLETE AFTER MIDNIG

  • アーティスト:COLE, NAT KING
  • 発売日: 1999/07/03
  • メディア: CD
 

 
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