【おすすめ名盤 100】Benny Goodman『The Best Of Benny Goodman』
Benny Goodman『The Best Of Benny Goodman』（2002年）
【収録曲】
1. After You've Gone
2. Body And Soul
3. China Boy
4. Oh, Lady Be Good
5. Moonglow
6. Stompin' At The Savoy
7. Avalon
8. The Man I Love
9. Bei Mir Bist Du Schon (Part 1)
10. Bei Mir Bist Du Schon (Part 2)
11. Sweet Georgia Brown
12. King Porter Stomp
13. I've Found A New Baby
14. Bugle Call Rag
15. Sing, Sing, Sing (Parts 1 & 2)
16. Don't Be That Way
17. And The Angels Sing
18. Goodbye
【演奏メンバー】
Teddy Wilson（ピアノ）
Gene Krupa（ドラムス）
など
今回はジャズ・クラリネット奏者、ベニー・グッドマンの編集盤を紹介。
本作は1935年から1939年に録音されたスウィング黄金時代の音源をまとめたもの。アメリカではビートルズによりロックが一世を風靡する以前は、このようなスウィング・ジャズがポピュラー音楽だったことは、今流行の音楽を考えるとなかなか想像するのが難しいです。でも、実際にベニー・グッドマンやグレン・ミラーなど、その時代のジャズを聴いてみると、すっと体に入ってきますし、とても洗練されたレンジで何度も聴き返したくなるような奥深さも感じます。今でも多くの場面でそれらの音楽が使用されていることからも、当時からどれだけ愛され続けてきたかが窺えます。
ベニー・グッドマンといえばやはりビッグ・バンドのド定番曲、15曲目「Sing, Sing, Sing」でしょうか。
個人的には1曲目から11曲目の “ベニー・グッドマン・カルテット“ のコンボ編成の音源が好きです。（演奏メンバーに記載した4人のバンド）
"SING, SING, SING" BY BENNY GOODMAN
「ジャズの歴史はたったの100年」
“ジャズ“ と聴くと物凄く大昔からあるような音楽に感じるのですが、せいぜい100年くらいなんですね。
ジャズの最初のレコードは、ニューオリンズ出身の白人バンド「オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンド」が1917年に録音したものだと言われています（ “ディキシーランド・ジャズ“ ）。それからビッグ・バンド編成の “スウィング・ジャズ“ →即興演奏を主体とした “ビバップ“ → “モダン・ジャズ“（クール・ジャズ、ウエストコースト・ジャズ、ハード・バップなど）→モード・スケール（音階）を用いて即興演奏をより自由にした “モード・ジャズ“ →ジャズにロックなどの要素を融合した “フュージョン“ → “コンテンポラリー・ジャズ“（現在のより複雑に発展したジャズ）
かなりざっくり書くと、このようにしてジャズは100年の間で進化してきました。
何が言いたいのかってところですが、“ジャズ“ ってどこか小難しいイメージがありますが（正直小難しい面は多々ありますが…）、だいたい歴史としてもこんなものかって考えればそこまで気負いする必要はないのかなと。（むしろロックの方が多様化し過ぎて追うのが大変！）実際にロック以前は大衆音楽としての全盛だったわけですし。
今回紹介している「Moonglow」や「Body And Soul」は、音楽理論や演奏テクニック、音質などを超えて、曲そのものを純粋に好きと思える曲。小さい頃、感覚だけで好きになった曲のように。ましてや生まれる前から聴いたような感覚にもなる。
色々な知識を知れば知るほど、反比例するようにそういった感覚を忘れてしまうことを寂しく思う時もある。例えば、楽器を練習すると、その楽器の演奏ばかりを聴いてしまったり、その楽器の演奏のクオリティだけで音楽の良し悪しを判断してしまったりする。それもひとつの楽しみ方ではありますが、心の隅の方で純粋に素直に音楽を受け取る心も忘れないようにしたい。
Benny Goodman Quartet - Moonglow (1936)
Benny Goodman Trio - Body and soul
参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
スパスパ弧唄
参考リンク
