【おすすめ名盤 41】スガシカオ『THE LAST』
スガシカオ『THE LAST』(2016年)
【収録曲】
1. ふるえる手
2. 大晦日の宇宙船
3. あなたひとりだけ 幸せになることは 許されないのよ
4. 海賊と黒い海
5. おれ、やっぱ月に帰るわ
6. ごめんねセンチメンタル
7. 青春のホルマリン漬け
8. オバケエントツ
9. 愛と幻想のレスポール
10. 真夜中の虹
11. アストライド
今回はスガシカオさんの2011年に事務所から独立後の、初のオリジナルアルバムを紹介。
「50歳までに、スガシカオの集大成になるようなアルバムを完成させる」と本人が語るように、自身の持ち味でもあるとんがった部分が全面に出ており、内向的で危ういリリックが多いです。名プロデューサー小林武史さんとの共同プロデュースで、ポップとのバランスが上手く保たれ、作品に対する妥協ない熱量を感じます。
ここからは「音楽におけるレトリック」について。
好きなアーティストの新譜を待つ段階ってワクワクしますよね。発売が発表されてから発売されるまでの、少しずつ全容が明らかになっていくまでの時間。
「J-POPになる前のスガシカオ - FUNKでもなく、ROCKでもない "剥き出しのスガ シカオ" キャリア史上、最もスキャンダラスな衝撃の問題作にして最高傑作がここに完成!」
このアルバムが発売される前の宣伝文句。他にも、小林武史氏との共同プロデュース!村上春樹氏によるライナーノーツ付!初回盤では独立後リリースした曲のベスト盤付!これでもかとキラーワードが連発すると、欲しい!聴きたい!と思わざるを得ない。
ただやっぱり、一番期待をそそられたのは曲のタイトル。これって自分の中で結構大事で、曲をタイトルから想像することで、作品への期待値が全然変わってくる。
「ふるえる手」→ん?一曲目からなんか深刻そう。
「大晦日の宇宙船」→大晦日?宇宙船?どゆこと?年越し蕎麦のこと?
「おれ、やっぱ月に帰るわ」→そうか、ついに帰ってしまうのか…って、ちょっと待てよ!
「青春のホルマリン漬け」→ホルマリン漬け??こりゃ危険な香り…
「オバケエントツ」→???
どうですか?気になりませんか?
タイトルが何を意味しているのか、実は人間の本質部分を突いたメタファーなのか。曲を聴く前から妄想が膨らむ。歌詞の内容を一言で表す言葉としても然り、音楽の販売戦略としても、曲のタイトルが一種の「レトリック(巧みな言い回し)」として役割を担うことがある。
「個人的ベスト曲のタイトル賞」大賞です。
そしてもちろん、内容は僕の拙い妄想を遥かに超えていきました。
参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
スパスパ弧唄
参考リンク
スガ シカオ - New Album 『THE LAST』スペシャルトレーラー