【おすすめ名盤 7】Count Basie『Count Basie And The Kansas City 7』
Count Basie『Count Basie And The Kansas City 7』(1962年録音)
【収録曲】
1. Oh, Lady Be Good!
2. Secrets
3. I Want A Little Girl
4. Shoe Shine Boy
5. Count's Place
6. Senator Whitehead
7. Tally-Ho, Mr. Basie!
8. What'cha Talkin'?
【演奏メンバー】
Count Basie (ピアノ、オルガン)
Thad Jones(トランペット)
Frank Wess(フルート、アルト・フルート)2、6、8曲目のみ
Frank Foster(テナー・サックス、クラリネット)1、3、4、5、7曲目のみ
Eric Dixon(テナー・サックス、フルート、クラリネット)
Freddie Green(ギター)
Eddie Jones(ベース)
Sonny Payne(ドラムス)
今回はビッグバンドの伯爵、カウント・ベイシーのアルバムから。
おすすめ名盤7枚目はアルバム名に因んでこれに決めていた。
このアルバムも行きつけのジャズ喫茶のマスターが流してくれた。ミーハーの僕は当時「カウント・ベイシーは楽器いっぱいでど迫力でノリノリ」としか印象がなかったので、初めて聴いた時は肩透かしを喰らった。カウント・ベイシー楽団からのコンボ(10人未満程度の小編成)での演奏で、ビッグバンドのような迫力がないことはある程度想像がついていたが、にしても音数が少なく地味だった。
「あれ?」と思ったようなことは意外と心に突っかっているもので、やけに気になったので後日TSUTAYAで借りて聴いた。
最小限まで引き算された音数で、アンサンブルを精密にアレンジされており、カウント・ベイシーの匠の技を感じた。一曲目の「Oh, Lady Be Good!」からそれをありありと感じることができる。ただ、緻密に計算されていながらも、小難しいことは考えず、緊張感なくのんびり楽しそうに演奏しているのが、まさにプロ中のプロですね。
“ミスター・リズム“ フレディー・グリーンのギターも「チャッ、チャッ、チャッ、チャッ」と刻んでいるだけなのだか、誰にも真似できないニュアンスでバンドのノリを生み出しており、とても気持ちが良い。地味なことだって、磨きに磨けばとっておきの個性と化してしまうのである。
3曲目の「I Want A Little Girl」では、サド・ジョーンズの間抜けなミュート・トランペットの音色とメロディが妙に懐かしい気持ちになる。
僕はジャズにおけるスイングとは?と聴かれたら自分の答えとしてこのアルバムを提示する。
と言うのも、ジャズの演奏家にスイングとは何かと尋ねたとしたら、解釈が百人百様で結局答えがよくわからないことになる。
まあ、演奏家はその答えを自分なりに(あるいはバンドで)導かないと良い演奏ができないわけだか…(自分もジャズギターの練習でドツボにハマっているところ…)
聴き手にとってそれは関係ないと思う。それぞれがウキウキ楽しく心も体も自然と揺れてしまう、それが「スイング」ですよね。このアルバムはそれをわかりやすく表している。
吹っ切れたようなことを言ってしまったが、スイングは僕が語れるほど単純でないことには変わりない。
先ほど「ミーハー」という言葉を使って思ったが、音楽を聴く上でミーハーだろうがなんだろうが、自分が良いものを良いと思って楽しめれば何だって良いですよね。それぞれ好きと思うポイントを大事にしたいものです。
参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
スパスパ弧唄
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