スパスパ弧唄の音楽小旅行

〜日々を彩る音楽名盤紹介ブログ〜

【おすすめ名盤 27】Lester Young『The Jazz Giants '56』

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Lester Young『The Jazz Giants '56』(1956年録音)

【収録曲】

1. I Guess I'll Have To Change My Plan

2. I Didn't Know What Time It Was

3. Gigantic Blues

4. This Year's Kisses

5. You Can Depend On Me

 

【演奏メンバー】

Lester Young(テナー・サックス)

Vic Dickenson(トロンボーン

Roy Eldridge(トランペット)

Teddy Wilson(ピアノ)

Freddie Green(ギター)

Gene Ramey(ベース)

Jo Jones(ドラムス)

 

 

今回はテナーサックス奏者、レスター・ヤングのアルバムを紹介。

レスター・ヤングは以前にも紹介したカウント・ベイシー楽団の花形ソリストとして、そのクールな演奏で名を広めることとなりました。しかし、1944年から2年間兵役に就いた経験から、心に深い傷を負うこととなり、酒に溺れ、その後の演奏に大きく影響することとなります。明らかに以前のような元気はなくなり、録音によっては不調で弱々しいプレイが聴いていて時に痛々しく伝わります。

 

弱っていたり、どうしようもない時こそ発揮できる力がある。それがまさに今回紹介する『The Jazz Giants '56』だ。(『Pres & Teddy』というアルバムと同時期のセッション。こちらも名盤。)決して良いコンディションとは言えない時期のセッションではあるが、まさに「いぶし銀」の演奏で、サックスという管を通して想いを乗せて歌を歌っているようだ。(実際に声を出して吹いていたらしいですが…)これを例の行きつけのジャズ喫茶で、冒頭に述べた兵役のエピソードをマスターから聴きながら、レスター・ヤングが一音一音サックスで語りかけてくる訳で。パチパチとノイズの少し混じったアナログレコードで。一曲目『 I Guess I'll Have To Change My Plan』、音楽で感動するってこういうことなのかと、その時この曲を聴いて思った。テディ・ウイルソンのコロコロっとした人懐っこいピアノなど、演奏メンバー全員がソロにおいても我を出しすぎず、純粋に音楽を楽しむことを皆で共有することに徹している。レスター・ヤングのサックスソロから、ヴィック・ディッケンソンのトロンボーンソロへのバトンの繋ぎは本当に感動的。不調と言えども、全ての要因がプラスに働いている。

 

 

好調の時はその勢いのまま突き進んでいいと思うが(自分を見失わない程度に)、逆境に立っているような時は、くじけずそういう時にしかできないことや、思いつかないような考えなどを決して見逃さないようにしたい。

 

参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

スパスパ弧唄

 

 

参考リンク

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ジャズ・ジャイアンツ ’56

ジャズ・ジャイアンツ ’56

 

 

Pres & Teddy

Pres & Teddy

  • アーティスト:Young, Lester
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD
 

 
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関連ブログ: 

supasupa-kouta.hatenablog.com