スパスパ弧唄の音楽小旅行

〜日々を彩る音楽名盤紹介ブログ〜

【おすすめ名盤 72】Barney Wilen『More From Barney At The Club Saint-Germain』

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Barney Wilen『More From Barney At The Club Saint-Germain』(1959年録音)

【収録曲】

1. Best Things In Life Are Free

2. All The Things You Are

3. Reets And I

4. Round Midnight

5. With A Song In My Heart

6. Time On My Hands

7. There'll Never Be Another You

8. As Time Goes By

  

【演奏メンバー】

Barney Wilen(テナー・サックス、ソプラノ・サックス)

Kenny Dorham(トランペット)

Duke Jordan(ピアノ)

Paul Rovere(ベース)

Daniel Humair(ドラムス)

 

 

今回は、フランスのテナー・サックス奏者、バルネ・ウィランのライブアルバムを紹介。

バルネ・ウィランは、映画『死刑台のエレベーター』の音楽にマイルス・デイヴィスと共に参加したことで有名になりました。今回のアルバムは『Barney』というアルバムの未発表曲集にあたります。(実はこちらをまだ聴いたことがない…)

パリのクラブ・サンジェルマンで行われたライブで、メンバーがアメリカ人2名と、フランス人3名のハイブリッド構成。バルネ・ウィランのサックスは押しすぎず引きすぎずの良い塩梅。それに対しトランペットのケニー・ドーハムは、リーダーであるバルネ・ウィランを喰ってしまうくらいに珍しく吹きまくっています。

昨日の記事でも紹介した近所のジャズ喫茶のマスターと、プチ "バルネ・ウィラン" ブームが最近起こっている。マスターはこのアルバムの音質面には少々不満げですが、素晴らしい演奏内容です。

 

 

ここからは、「映画とジャズ」をテーマに。

ジャズのスタンダード(演奏される定番曲)はアメリカのヒット曲が中心であるが、中でも多いのが映画音楽。以前も紹介した『サウンド・オブ・ミュージック』の「My Favorite Things」や、『ティファニーで朝食を』の「Moon River」などがある。

今回紹介のアルバムの8曲目に収録されている「As Time Goes By」は、1942年に公開された『カサブランカ』という映画のテーマ曲。この曲が映画の中でどんな風に使用されているか知りたかったがために、Amazonプライムビデオで見つけたので観た。

ざっと内容の説明を。第二次世界大戦中、パリの人々はナチスドイツの侵略から逃れるためアメリカへの亡命を試みた。そのためにはフランス領モロッコカサブランカへ行き、そこから飛行機でアメリカへの中継地であるポルトガルリスボンへ飛ぶ必要があった。舞台であるカサブランカでバーを経営するアメリカ人の主人公リックが、パリから亡命前に理由を告げずに去った女性イルザと彼の店で再会するシーンで、バーの雇われピアニストが演奏していたのが「As Time Goes By」。この曲の切ないメロディーが映画の印象的なシーンをさらに盛り上げている。

古い映画ってきっかけがないとなかなか見ないけど、すごく新鮮。現代の目線からしても俳優陣に華を感じるし、内容も構成も時代に関係なく奥深いです。「君の瞳に乾杯」という主人公の何度も出てくる決め台詞にはさすがに笑った。これは当時の感覚としてもネタ半分の演出ではないでしょうか。どうなんでしょう?

 

 

音楽1曲を掘り下げるだけでも、興味の幅が広がって楽しいもんです。

 


As Time Goes By - Barney Wilen

 

 

参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 


スパスパ弧唄

 


参考リンク

YouTube:

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Amazon:

モア・フロム・バルネ

モア・フロム・バルネ

 

 

カサブランカ(字幕版)

カサブランカ(字幕版)

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