スパスパ弧唄の音楽小旅行

〜日々を彩る音楽名盤紹介ブログ〜

【おすすめ名盤 70】Paul McCartney & Wings『Wings Over America』

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Paul McCartney & Wings『Wings Over America』(1976年)

【収録曲】

[Disc 1]

1. Venus And Mars/Rock Show/Jet

2. Let Me Roll It

3. Spirits Of Ancient Egypt

4. Medicine Jar

5. Maybe I'm Amazed

6. Call Me Back Again

7. Lady Madonna

8. The Long And Winding Road

9. Live And Let Die

10. Picasso's Last Words

11. Richard Cory

12. Bluebird

13. I've Just Seen A Face

14. Blackbird

15. Yesterday

 

[Disc 2]

1. You Gave Me The Answer

2. Magneto And Titanium Man

3. Go Now

4. My Love

5. Listen To What The Man Said

6. Let 'Em In

7. Time To Hide

8. Silly Love Songs

9. Beware My Love

10. Letting Go

11. Band On The Run

12. Hi, Hi, Hi

13. Soily

 

 

今回はウイングスのアメリカツアーを収めたライブ・アルバムを紹介。

あのポール・マッカートニービートルズ解散後に精力的に活動していたバンドでありながら、昭和と平成の変わり目に生まれた世代の僕には中々馴染めなかった。ジョン・レノンのソロ曲は、「Imagine」「Happy Christmas」「Woman」などお馴染みの曲が多いが、解散後のポールの曲は知っている曲もなく、聴かず嫌いをしていた。試しに聴いてみても、ビートルズの偉大な曲たちとどうしても比較してしまった。

そんな「呪縛」を吹き飛ばしてくれたのがこのアルバム。ポールらしさ全開です。オープニングからメドレーという憎い演出で、ハラハラワクワクさせてくれます。持ち前のサービス精神で、中盤にしっかりとビートルズの曲を演奏してくれるのはやっぱり嬉しい。「Maybe I'm Amazed」や「My Love」はポールの変わらないメロディーメーカーぶりで、美しいメロディーラインに感動してしまう。また、「これぞ70年代」といったような、温かみのあるバンドサウンドがとても心地いい。さすが「エンターテイナー、ポール・マッカートニー」。

 


'Maybe I'm Amazed' (from 'Rockshow') - Paul McCartney And Wings

 

 

ここからは「ポール・マッカートニーと幻と現実と」をテーマに。

ポールが2013年と2015年に来日した際に、2度公演を観に行った。2013年の初参加の時は、ポールがあまりにレジェンド的存在であり過ぎて、同じ地球に存在していること自体が不思議なくらいだったので、同じ空間でその存在や音を体現できるだけで至上の喜びだった。その一瞬一瞬を大事に噛み締めようと試みても、1秒でも過去になるとそれらは全て「幻」として変換されていった。3曲目に演奏された「All My Loving」は、曲が始まったと思った束の間、終わっていた。

そんな中でも唯一鮮明に覚えているのが、2度目のアンコールでのこと。スタンド席で開始からずっと座って演奏を聴いていため、周りの観客も含めどこか「本当はもっと盛り上がりたいのに、盛り上がりきれないくすぶり」の空気が漂っていた。ライブのラスト2曲というところで演奏された「Helter Skelter」で、一緒に行った友人の、隣の席の女性に一気にエンジンがかかり立ち上がった。すかさず友人も立ち上がったので、僕も立ち上がった。するとスタンドの周りの人達も連鎖してポツポツと立ち上がった。くすぶりのテープが切られたように、皆テンションが上がってきた。ラストの「Golden Slumbers〜Carry The Weight〜The End」のメドレーでは、例の女性が友人の肩を組み、僕、その隣の人へと繋がっていき合唱した。何が起こるかわからないのがライブ。友人の隣の女性のおかげで「幻」が「現実」となり、しっかり記憶に残るライブとなった。

 

 

2015年の公演は、2014年ポールが体調不良で「幻」となった公演のリベンジ。ポールも同じ「現実」の人だったのです。

 

 

参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 


スパスパ弧唄

 


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