【おすすめ名盤 97】奥田民生『股旅』
奥田民生『股旅』(1998年)
【収録曲】
1. あくまでドライブ
2. ツアーメン
3. またたびをする
4. 恋のかけら
5. リー! リー! リー!
6. 股旅 (ジョンと)
7. 遺言
8. 海猫
9. 手紙
10. さすらい
11. イージュー★ライダー'97
今回は奥田民生さんの4枚目のソロアルバムを紹介。
のんびりと、ユルいロックンロールが聴けるアルバム。まさにジャケット写真や曲のタイトルの通り、旅のお供に聴きたくなります。
ソロでの代表曲と言える、10曲目「さすらい」と11曲目「イージュー★ライダー'97」(アルバム・バージョン)を収録。ストレートなロックンロールなのですが、奥田民生さん節の癖のあるメロディと声が、楽曲の存在感を引き立たせています。
5曲目の「リー! リー! リー!」は、そのまんま初期ビートルズのオマージュ。
『急行列車』
遠い田舎(僕の住む街に比べて)で働いている友人に会いに行くのに、電車で3時間以上かけて行く。特急に乗ればもっと時間を短縮できるが、あえて急行に乗って移動の時間をのんびりと過ごす。(これは特急券の費用をケチるための言い訳です。往復3,000円近くも浮くのでどうしても…)
これまで何度か会いに行ったが、その移動中に必ず聴く「アルバム3部作」がある。
大滝詠一さんの『A LONG VACATION』、中島みゆきさんの『愛していると云ってくれ』、奥田民生さんの『股旅』。
『A LONG VACATION』は、家を出た一番最初に聴いて、これから移動することに気持ちを昂らせる。
『愛していると云ってくれ』は、見知らぬ人たちと急行列車を待つホームで聴いて、昼ドラのワンシーンにいるかのような気になる。
『股旅』は、到着する中盤から終盤ごろに聴く。気がつけば電車から見える景色は連なる山々や田んぼに囲まれ、通過する駅も段々こじんまりとしていく。車内の人もポツポツと減っている。人の多い所に知らず知らず慣れてしまった自分には、景色1つ1つがとても新鮮に感じられる。車内から窓越しに1人で必死にカシャカシャ写真を撮ってしまうくらい。ドアが開いた時に外からスッと入ってくる空気は、優しく透き通っている。その混じり気のない空気に自分の脳や体が喜んでいることに気がつく。実は本能的に求めてたのかななんて考える。
“何もないな 誰もいないな 快適なスピードで 道はただ延々続く“
(「イージュー★ライダー」の一節)
「このままずっとこの時間が続くんじゃないか。」
車窓から一定のペースで通り過ぎていく景色を目で追っていると、そんな気さえした。
それでも毎回必ず目的地に到着する。
参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
スパスパ弧唄
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